Jorgeの日記

備忘録と記録です。

理想のキーボードを考える

これまで5年以上HHKBをずっと使ってきたが、薙刀式を始めて配列沼に片足を突っ込んだのをきっかけに、物理配列……というか、キーボードの種類についても興味を持った。その後、いろいろと試したり考えたりした結果、理想のキーボードが見え始めてきたので、まとめておく。

ちなみにすべての条件に合致するキーボードはないので、自分で設計とかしたほうが早いかもしれん。知識ゼロからのスタートなので、時間はかかるだろうけど……

HHKBライク

私はHHKBを長らく使ってきたこともあり、HHKBをかなり気に入っている。自作キーボードが「ニッチなニーズに応えること」を目的にした思想から作られたものであるならば、HHKBは「多くの人がそれなりに満足できる」ことを目指して作られたものだ。だからデファクトスタンダードであるロウスタッガードの一体型を採用している。

多くの人が満足できるということは、カスタマイズのベースにするにも優れているということだと思う。私の理想のキーボードを考えていく上でのベースはHHKBとなる。基本的な文字の配置順などは、HHKBに準拠する。

一体型

一体型か、分割型か。私は一体型の方が好き。理由としては3つ。

完全に位置が固定できる

一体型は両手の位置関係が完全に固定される。それをよくないと考える人もいるだろうけど、私は常に変わらない感覚で打てるメリットの方を評価したい。

私は日常生活で「短期的な早さ」をそれなりに重視するので、そのためにも常に同じ感覚で打てるというのは大事になってくる。

質量がある

単純に考えると、一体型は分割型の倍の質量がある。質量があるということは、それだけブレないということだ。思いキーボードの筐体の方が、タイピングしていて安定する。分割型は使ってみて質量不足からくる若干の頼りなさのようなものを感じた。

筐体はずっしり重いのが理想だ。

移動しやすい

持ち歩くことはほとんどないが、机の上で他の作業をするためにキーボードをどかすことはよくある。そうしたときに、一体型の方が移動しやすると思う。

カラムスタッガード

ロウスタッガードが横にずれているのは、タイプライター時代の技術的な問題に由来するものだ。素朴に配列というものを考えれば、最初に出てくるのはオーソリニアであろう。縦横そろってると見た目が綺麗だし、技術的にも管理・製造がしやすい。

そこに人間の指(私の場合は突き刺し打ちなので第2~第3関節)の長さを足して、ホームポジションとする。そうすると、自然とカラムスタッガードにいきつく。(その先には3次元上の自然な配置というものもあるが、私はまだそこまでは意識していない。)

アリス傾斜

私は腕の自然な角度、力が入れやすく、意識の上で動作を管理しやすい角度というのは、緩いハの字型だと思っている。キー数でいうと、人差し指と人差し指の間に3キー程度の幅があるのがよい。

その考え方で行くと、アリス配列というものを見つけることが出来る。ホームポジションのキーが軽く湾曲しているキー配列で、私は結構好きだ。また、最近のエルゴノミクスを謳ったキーボードの多くも、それに近い配列を採用している。

この傾斜がぜひほしい。ここではこれを「アリス傾斜」と呼んでおく。

分割スペース

薙刀式では、左右両方の手でセンターシフトを押す。この時、スペースキーが1つだと、片方の手でスペースキーを押した時、当然それと一続きになっている、もう片方の親指の下のキーも沈み込む。結果として、「押してない指の下のキーが勝手に沈む」状況になるわけである。これがすごく気持ち悪い。

あとそもそもの話として、親指の担当キーが少なすぎる。両手で1キーはいくらなんでも親指の性能を舐めすぎだと思う。他の四指ほど器用な指ではないが、もう少し頑張れる。分割していれば違う機能が振れるのだ。分割すべきだ。

親指ホームの操作領域

親指はもっと頑張れる。スペースキーの他に、それぞれもうあと1キーずつくらいは担当できると思う。2キー3キーと増やしすぎすと頭が混乱するので、薙刀式を前提にするならもう1キーずつが理想だと思う。

親指の動かせる方向を考えると、スペースキーの内側に1キーずつ配置するのがよい。その点ではKeychron Q8が理想に近い。

キーの印字

あってほしい。無刻印はかっこいいが、すべてのキー操作がホームポジションから微動だにせずアクセスできるのでないかぎり、キーを見るタイミングというのはあるのだ。あと細かい記号の配置は普通に覚えきれてないので、ほしい。

逆にいらないのは、使わない印字と表記と出てくるものが違う印字だ。使わない印字はただただ邪魔だし、表記と違うものが出てくるのは混乱の元だ。違うものが書かれてるくらいなら無刻印でいい。

この違うものが出てくるというのが難しい。論理配列を変え続けてると絶対に避けられないからだ。ほしい装飾キーがサイズがなかったり、邪魔なキーを論理配列側で殺しても、印字は残っていたり……

その点、XVXのキーキャップはかなり色々入っててかなり良かった。

60%

キーボードの大きさは、普通のキーボードを選ぶときでも大事な部分だ。私は60%が至高だと思っている。その理由の大部分はHHKBで慣れきってしまったからというのがほとんどだが、それぞれのキーに対するスタンスは以下。

テンキー

テンキーが欲しくなるのはネトゲのマーケットに張り付くときと、表に数字をひたすら入力するときくらい。そんなに頻度の高い話ではないし、どうしても欲しくなったらテンキーだけ別に用意してもいい。私はその程度しか使わない。

右上の機能キー

私はほとんど使わないので、いらない。ファイルを消すときにDELETEだけは使うが、文章を打ってるときに使うわけではないので、HHKBのBS裏で困らないかなといった感じ。

Fnキー

あんまり使わない。ファイルのリネームにF2、更新にF5、文字変換にF6~F8、くらい。前2つは文章を打ってるときにはつかわないし、後ろ3つを使う場面は変換がぐちゃぐちゃになったのをどうにかしたいときなので、その段になって今更多少テンポが崩れたところで大差ない。数字裏で十分かなといった印象

数字キー

英数かなまじり文を書くので、単打でほしい。あと数字が単打側にないと、Fnキーがさらなる僻地においやられることになり、流石に不便を感じるようになってくる。

矢印キー

いらない。というのも、私はカーソル移動は人差し指と中指で行いたい。これは、ものを動かすという操作が、ものをつまむという動作と脳で密接に絡んでいるためだと思う。

その上で矢印キーを使うとどうなるか。右手をぐっと手前に引いてキーをとることになり、非常に窮屈になる。HHKBでなれてしまったからというのも大きいだろうが、Fn+[;'/の方が楽だし、感覚的にしっくり来る。

装飾キー

大きくあってほしい。多少外側の配置でもいいから、ctlとshiftは勢いよく押しても押し間違えない程度のサイズがほしい。あとctlはショートカットで使うQAZWSXCVといっしょに取りやすいA横が至高。

P外の記号領域(右手6,7列目)

ほしい。テンキーを排除するなら、+ー=は絶対にいるし、プログラミングをするときに’”がアクセスしづらいと非常に困る。このへんのキーはすぐに出てこないと困るが、完璧に記憶できるほど頻繁に使うわけではないので、印字されていてその都度確認するくらいで丁度いい。印字が欲しくて単打領域に置くともいう。

Enter、BS、全角/半角

めちゃくちゃ使う。なんならホームポジションからアクセス出来る場所にあってほしい。

USB Type-C

私はUSB Type-Cが好きだ。携帯端末に使える薄さ、それでいて使っていて接触不良を起こしづらい堅牢性があり、さらに裏表がない! 世の中のすべてのType-AとType-BとMicro-BをType-Cに置き換えてやりたいとさえ思っている。

もちろん、キーボードの接続もType-Cで行いたい。

キースイッチ

40g

キースイッチの重さ。薙刀式は同時押しを多用する都合上、キーは軽いほうがいい。キーを2つ押せば、手がキーから受ける反発は1つ押してるときの2倍になるからだ。

一方で、手を軽くキーに置いたときにキーが沈んで誤入力が発生するようでは困る。常に手を浮かせておくのは疲れる。

HHKBは45gだが、これは普通に重すぎると感じた。順次打鍵で高速で単打をしていくならある程度反発がある方が手の戻りが早くなっていい場面もあるが、同時打鍵があるならキーはもっと軽いほうが良い。

35gは打ち心地は良好だったが、手のひらの重みだけで軽く沈んでしまうのが気になった。

現在は40gをつかっている。今のところ大きな問題はない。

静音リニア

静電容量非接点で育ったので、カチャカチャ音がすごく気になる。キーボードはスコスコしていてほしい。押すときに引っかかりはあってほしくない。結論として静音リニア。

XVXプロファイル

キーキャップのプロファイル。これはまだあまり多くのキーキャップを試せていないので結論というには早いが、それはそれとしてXVXプロファイルはかなり良かった。

私はキーキャップには徐々に傾斜してほしい。買ったときにはそれだけしか考えていなかったが、使っているうちに追加のメリットが見えてきた。

キーが低く、安定感がある。また、トップの面積が広く、誤打しにくい。静音リニアのスコスコした感じとも相まって、非常に触れていて心地よかった。

6°~10°チルト

私はキーボードは少し傾いている方がいいと思う。下から2段目の行(ZXCの行)が水平になるくらいがベストだ。XVXのR1が8.6°、CHERRYのR1が8.36°なので、その前後になるように調整したい。

私がホームポジションに指を置く時、第2関節は下から2段目の行の真上くらいにくる。であれば、そこが水平になるべきだ。

RGB LED

こだわりはない。バックライト程度に軽く単色で光っている分には、集中も阻害されないし、綺麗だと思う。もちろんなくても別段支障はない。

流石に虹色に輝きながらウェーブされると邪魔だが………………

その他の入力

トラックボールは単体で気に入っているのがある。ロータリーエンコーダは特にほしいと思わない。持ち歩くわけじゃないので、キーボードにすべての入力を集約させたいとは思わない。

キーボードはほしいキーがほしい場所にあれば十分だと思う。


以上の要件を満たしたキーボードレイアウトをKLEで軽く書いてみた。

……ほんまか?