Jorgeの日記

備忘録と記録です。

月林檎配列開始

月林檎配列の練習を始めた。 初動段階での印象をまとめておく。

実装方法

まずコケたのが、実装方法をどうするか。

最初はDvorakJでマップを作ろうかと思っていたのだけれど、DvorakJで後置シフトを実装しようとするとそれなりにコンフィグファイルが汚くなる。紅皿は説明を読んだ限りではレイヤー数が限られるので後置シフトには対応してない。漢直WSなら同梱済みなのでそれが第一候補、程度で考えていた。

そうこうしてたら、DvorakJが公開終了した。

それを経て、あらためて配列もその実装環境もすべて個人開発であるという現実を実感した。個人サイトで発表している配列は当然その個人サイトがアクセスできなくなれば永遠に失われてしまう。さらに実装環境についてはもっと深刻で、OSをはじめとした環境のアップデートに対してメンテナンスをし続けなければすぐに使えなくなってしまう。

そうした維持コストを払い続けてくれている作者の方々には頭が上がらない。

それはそれとして、いちユーザーとしてはいつか失われる可能性を考慮しておかなくてはならない。特に論理配列を乗り換えるというのは多大な手間と時間が必要で、そうなんどもやりたいものではない。ほかの用途の個人開発ソフトと違って、公開終了したから類似の別ソフトに乗り換えるか、というわけにもいかない。

そこまで考えて、一瞬qwertyローマ字に心を惹かれた。これがなくなることは未来永劫……とまでは言わずとも、多分私が生きてる間にはないだろうと思うので。仮にほかの入力方法が主流になっていったとしても、あと50年くらいはまちがいなく入手可能な入力方法として市場に残り続ける見込みがあるので、その点で強い魅力を感じた。

とはいえもう少し新配列を試してみてもいいかなという気持ちが勝った。

漢直WSがデバッグ機能を常時動かすことになるのが気になったのものあって、最終的にはGoogle日本語入力のローマ字テーブルの書き換えで実装した。当面の間は月林檎の練習中はGoogle日本語入力、作業速度を落とすわけにはいかない作業をするときはMS-IMEと切り替えて使っていく形だ。やや不便だが、多分この方法が一番安定する気がしたので。

月林檎配列の第一印象

第一印象は「よく突き詰められてるな」といった感じ。濁音の排他配列であったり、後置シフトに変えたことで濁音を自然な形でシフトできるようにしたこと、シフトキーと「ょ」の兼用など、パッと見ただけで多くの点が工夫されていることが見て取れた。

気に食わない部分は最初の実装段階で変えてやろうくらいの気持ちで眺め始めた配列だったが、下手に動かせるようなところはほとんどなかった。

懸念点として、後置シフトは入力した文字が変化する。具体的にはrを押して「ら」が表示された後に、シフトキーのeを押すと表示文字が「け」に変化する。ローマ字のアルファベット表示ならまだしも、読み慣れたひらがなでこれが行われるとさすがに認知上のノイズになるのではないかという不安があった。

結論から言うと、特に気にならなかった。そもそもシフトは一瞬のうちに行うので、シフト前の文字が画面に表示されている時間はほとんどない。「目的の文字ではない何か」が画面に映っていることは認識できるが、「それが何か」を認識するより先に、文字がシフトする。のであまり気にならない。

あとそもそもの話として、画面上の表示文字が変化していく入力の感覚はqwertyローマ字で慣れ親しんだものだったので、それほど抵抗感はない。(以前の記事でも似たようなことを書いたが、私は「より優れた入力方法」をさがして配列を試しているのであって、現行のqwertyローマ字に特に不満らしい不満はない。むしろ割と気に入っている。)

もちろん、使っているうちに本来は関係のないひらがな(上の例でいえば「ら」と「け」)が頭の中で関連付けられてしまうとは思うが、そのイメージが特別なにかの障害になるかといえば、私はあまりならないと思う。(気になる人はめちゃくちゃ気にしそうだが。)

3日目の感想

2,3日練習した感覚としては、「単打が広い」である。

私はかな配列は薙刀式しかやったことがないのでそれとの比較になってしまうが、とにかく単打が広い。よくよく考えてみればこれは当たり前で、小指の担当領域がかなり広いのだ。右小指は普通に5鍵(あるいはマイナーキーも含めれば6鍵)担当しているし、左手もCapsLockに文字を振って4鍵担当している。ロウスタッガードでぼちぼち押しにくいY、Bにも容赦なく文字がおかれている。

その良し悪しまではまだ判断がつかないが、とにかく単打に割り振られているものが多い。

今後

またしばらくしたら感想をあげる予定。入力画面だけなら動画を撮ってみてもいいかなという気もする。

ちなみにこの記事はまだqwertyローマ字で書いているのだが、この記事書いてるところを録画しとけばよかったかもしれない。